晴れやかな空の日、元就は太陽の下で一人立っていた。
「おお…日輪よ!」
そう呟き、両手を日にかざす。日光が体中に流れ込む感覚に酔っていた。
「相変わらずの日輪教だね」
含み笑いが後方から聞こえる。元就が振り返ると、そこには半兵衛が居た。
「何をしに来た」
冷たい、鋭い視線を投げつける。しかし半兵衛はものともせず、また含み笑いを して元就の隣へ座った。
「別に。今日は戦いに来た訳じゃないよ」
元就を見て、クス、と笑った。それでも元就は警戒の眼差しを投げ続けた。半兵 衛が懐から何かを出す。元就は反射で日輪を象った刃物を取り出した。
「だから戦いに来た訳じゃないって言ってるじゃないか」
懐から出てきたのは笹の包みだった。半兵衛は躊躇わず包みを開ける。中にはみ たらしの団子が三つ入っていた。
「座りなよ。一緒に食べよう」
言われて元就は躊躇したが、半兵衛の笑顔に絆され、恐る恐る座った。
「ほら」
半兵衛は一本を差し出す。元就はこれも躊躇しながら手に取った。
「この団子はね、僕が知っている中では一番おいしい団子だよ」
そう言って包みから一本取り出し、団子を頬張った。
「ほら、おいしいよ」
元就は団子と半兵衛を見比べたが、とうとうそれを食べた。
「…………確かに………美味だな……」
元就は呟いた。それを聞いて半兵衛は嬉しそうに笑う。
二人は暫く無言で団子を食べていた。元就がつい最後の一本に手を伸ばした時、 半兵衛の手とぶつかった。
瞬時にひっこめたが、半兵衛はまたあの優しい顔をしていた。
「それ、あげるよ」
半兵衛はそう言い、立ち上がった。
「おい…」
立ち去ろうとした半兵衛に、つい声をかける。
「何でこんなことを、かい?」
図星の元就は言葉が出なかった。
「純粋にお付き合いしたいから、って言っても、信じてくれるかな?」
元就はまた言葉が出なかった。半兵衛はいつものしたり顔をし、立ち去った。
元就は固まったまま、さっきの言葉の意味を考えた。
元就は頭を抱え、唸る。半兵衛はいつもあんな男だった。
「……我と付き合うだと……?」
元就は太陽の光を浴びながら物思いに耽った。
固くなりかけた団子は、さっきよりは美味しくなかった。

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