次の日−
ネジは少ない荷物をしょい、日向家をあとにする。
早朝だった為、見送る者は居なかった。
ハヤテに言われた家の前に立った。久しぶりに心臓が高鳴るのがわかる。
チャイムを鳴らした。軽い音が鳥の声と共に響く。
「はい、月光です」
少し眠気を感じさせる声がインターホンからした。ネジは一瞬言葉を失ったが、 震える声で言った。
「ネジだ。約束通り来たぞ」
ばたばたと家から音がし、ドアが開けられる。
「ネジ君!早かったね」
上半身裸のハヤテが現れ、ネジは固まった。
「…?え、あーー!ごめん!今何か着て来るから!」
そう言ってハヤテはドアを閉める。またばたばたと音がし、誰かの声が聞こえた 。
「ごめんね、ネジ君」
ハヤテはそう言ってまた現れた。
「…誰かいるのか?」
ぼそり、と言う。するとハヤテはばつが悪そうな顔をした。
「え、と、まだ説明してなかったけど…不知火ゲンマって言う人が…」
「俺がどうしたって?」
ハヤテの背後からにゅ、と顔が出る。口に串を加えた垂れ目の男だった。
「ああ、お前が日向ネジだな?俺が不知火ゲンマだ。」
ゲンマはドアを開けきり、ネジの頭をぽんと叩く。
「これから宜しく」
宜しく…?、とネジは目でゲンマに不信感を表した。
「えと…ゲンマは…私の恋人です」
ハヤテは苦笑いと言うべきであろう顔でネジを見る。
「…はい?」
ネジは声に出して言ってしまった。


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