とりあえず、ネジはハヤテの家の敷居を跨いだ。入ると、ハヤテはゲンマに焼き
そばを作るからね、と言った。
「ネジも何も食べてないんでしょう?作るよ」
ネジはハヤテに会釈をしてゲンマと向かい合わせに座る。
「…良い目をしてる」
ゲンマは呟いた。
思わずネジは声を漏らす。
「強い目だ。相当の覚悟があるな」
なんて言い返せば良いかわからず黙ってしまうと、ハヤテが皿を三つ持ってきた
。
「とりあえず食べないと!朝ご飯は大切だからね」
ハヤテがテーブルに皿を置くと、ゲンマもそうだな、と言う。ネジはなんとなく
手がつけられなかった。するとハヤテが不思議そうな顔をする。
「どうしたんですか?食べて良いんですよ?」
「あ…頂きます」
ネジは焼きそばをたべる。ハヤテに美味しい?と聞かれ、頷くしかなかった。
「なら良かった。私、料理は自信あるんだ」
ハヤテもゲンマの隣に座り焼きそばを食べる。
暫く会話がなかった。三人が食べ終わったあと、皿を片付けながらハヤテは言う
。
「でも本当に来てくれて嬉しいよ。こんなに早いとは思わなかったけどね」
「…それでこの男を帰せなかったのか?」
ハヤテはネジに向かい合う様に座った。必然的にゲンマの隣になる。
「そういうつもりじゃ…。…先に言わなかったのは悪かったと思う。でも私嬉し
くて…昨日までゲンマにもネジ君の話をしていなかったんだ。」
ゲンマは片眉を上げた。
「ま、ハヤテがそんだけお前を気に入ったって事だ」
ゲンマはカラカラと笑う。ネジは笑えなかった。
「全部私が勝手に決めた事だよ…ごめんなさい」
ハヤテは頭を下げる。ネジはどう言って良いのかわからなかった。
「……顔を上げてくれ」
そう言うのが精一杯だった。ハヤテは少し困った様な顔をしていた。