「君は僕の来世さ」
「来世?なら此処にこうして向き合う事は出来ないよ」
「此処ではそれが通じる。此処は灰色の世界だから」
「面白い話だね。じゃあ僕が死んだら君も死ぬのかい?」
「そう。逆に前世の僕が死なないと君は死なない」
「へぇ…じゃあ君は僕より先に死ぬのかい?」
「そうだよ。世界が許すのなら…」
ガラス張りの境界線。半兵衛と観月はガラス越しに手を合わせた。
「君は生きるべきだ。僕が死ぬべきであるように…」
半兵衛は咳をした。口を隠した手から血が見える。
「君は死ぬのかい?」
「ああ…僕は近い内に死ぬ。でも、今じゃない」
「そうか…じゃあまた会える日を楽しみにしてるよ」
そう言って観月はその場を離れた。
途端、半兵衛はもう一度咳をする。口から血が流れた。
「君はまだ死ぬ訳にはいかない…」
半兵衛はガラスを一度叩いた。