檜左木の遺体にシュイが涙を流していると、檜左木の体に異変がおこった。
うつ伏せになったかと思うと、背中から大きな黒揚羽の羽が生えてきた。
そうかと思うと、背中の服がぺりぺりとはげ、大きな黒揚羽が現れる。

それはさながら脱皮の様だった。

黒揚羽の羽は一瞬で乾き、シュイを置いて飛んでいった。

……これがイオが望んだ事なのか?

今となってはそれも分からない。ただ黒揚羽は高く、高く灰色の空を飛んでいっ た。
シュイはその姿が見えなくなるまで、ずっと見つめていた。
まるで黒揚羽に答えを求める様に。

シュイはまた声には出さず、泣いていた。





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