アナナスの前をイーイーが走っていた。
「待ってよイーイー」
アナナスと違い、イーイーはローラーブレードの達人だった。
イーイーは半回転して止まり、アナナスに笑って見せた。
「アナナスが遅いのが悪いんだよ」
アナナスはなんとかイーイーに追いつき、肩で息をした。ソレを見て、イーイー
は声をたて笑う。
「…ねえイーイー」
アナナスは少し暗い調子で喋った。
「僕たち、ずっと一緒だよね?」
「当たり前だろ。生まれ変わっても一緒だよ。」
それを聞いて、アナナスは深い溜め息をついた。
「……良かった」
アナナスも笑う。二人は楽しそうに笑いあった。
「こんな問題も解けないのか」
シュイはイオの宿題に手をつけていた。イオに任せっぱなしだと全然進まないか
らだ。
「…ごめんなさい」
イオは素直に謝る。自分の頭の悪さはよく知っていた。
「素直な点は良いが…いくらなんでも出来なさすぎだぞ」
「そりゃあ僕はシュイ兄さんみたいになんでもできないよ」
少しむっとした顔でシュイを見る。シュイは気にせず次々と問題を解いていく。
「…ねえ兄さん」
「…なんだ?」
「僕たち、ずっと一緒だよね?」
「…そんなことはわからない」
「兄さんは一緒にいたくないの?」
シュイは初めてイオの顔を見た。
「…いたくないと言ったら嘘になるな。」
それを聞いてイオは胸踊るのがわかった。初めてシュイが自分に関心を持ってい
ることを知ったからだ。
「きっと一緒だよ!生まれ変わっても!」
イオは笑う。シュイは無表情だった。
「生まれ変わって一緒になる可能性はどの位かわかってるのか?」
「凄く少ないのはわかるよ。でも僕たちは運命の糸でつながってるんだよ」
イオは小指を立てる。シュイは鼻で笑った。
「そんな夢みたいなこと言うな」
黒い蝶が飛んでいる