黒い蝶が飛んでいる
黒い蝶が飛んでいる
それは死の色でした。
鎌を持った使者は言いました。
「死は誰にだって訪れるのさ」
星を持った使者は言いました。
「生が苦痛なのです。」
俺は黒い蝶なので、
一人死んでは飛んで行く。
身を離れた蝶達は
伝える
身体じゅうに黒い蝶が留る。
腕で払っても払っても俺に纏りつき俺の肌に吸付く。
顔から、腕から、
制服の中にまで侵入して俺の汗を吸付くしていく。
身体が冷えていく感覚。
むしろ、快感さえ覚えた。
俺は釦を外して制服を脱ぎ捨てた。
黒い蝶は、容赦無く俺から出る水分を吸い取った。
ぱたぱたと
音を立てて翔ぶ蝶達は、
何処へ行くのだろう
何処へ行くのだろう
俺も知らなかった。
黒い蝶がまた一匹離れて行く。
その度に身体には傷が出来た。
嗚呼、いつか俺の蝶を連れて、現れるのだろうか
俺の死の使者が。
黒い蝶達はやがて体内の水分をも奪っていく。
尖端に留った蝶はシルクのスパンコールを光らせていた。
ああ、懐かしいのは何故だろう