二人は手を取り合い歩いていた。
灰色の世界。それだけで楽しかった。
タカ丸はいつも笑っていた。転んだ時も、キスをした時も、いつも笑っていた。
そして時々「歌う」のだ。
愛しているよ
愛しているよ
滝夜叉丸もそれに応えた。
「愛しているよ。私達は愛しあっているよ。」
それだけで良かった。
いや、だからだったかもしれない。
いつの間にか手には斧があった。
そう、ハムスターの幽霊に渡したものと同じだ。
タカ丸は笑っていた。
タカ丸は笑っていた。
タカ丸は笑っていた。
その笑みが、

「う……うわああああああ!!!!!!!!」
いつの間にかその笑みは苦痛だけを与えていた。何をしていても笑う。タカ丸が 笑えば笑うほど、気が狂うのがわかった。

滝夜叉丸はタカ丸の右足を切った。

おや、右足が無い

滝夜叉丸はタカ丸の左足を切った。

おや、左足が無い

滝夜叉丸はタカ丸の右手を切った。

おや、右手が無い

滝夜叉丸はタカ丸の左手を切った。

おや、左手が無い

「うわああ、ああ、ああああ!!!!!!!!」
滝夜叉丸はタカ丸の頭をめがけて斧を振り下ろした。
ピタリ
斧はタカ丸の髪を少し切っただけで止まった。

ああ、また髪型を整えなきゃあ

タカ丸は笑っていた。
タカ丸は笑っていた。
両手両足を無くしても、まだ笑っていた。

愛しているよ

「うわああああああ!!!!!!!!」
滝夜叉丸は斧を投げ捨てた。
そして、タカ丸の姿を見る。
キラキラと光るタカ丸。
血の様な赤い光が、タカ丸を取り囲んでいた。

ああ、そうだったのか。

タカ丸は「赤い光」だったのだ。

滝夜叉丸は崩れ落ちる。
黒い闇と赤い光は煌々と輝いていた。

タカ丸は笑っていた。


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