謌を唄おう。
ギターに指を置き、口を開いた瞬間

「その謌は唄ってはいけない」

千種がナカジの口を手で塞いだ。

青空が広がる。雲は円を描く様に灰色と青色の間を廻る。

「その謌を唄ってはいけない」

空を落とす謌。じゃあ何故−−兄貴はこの謌を教えたんだ?

千種は何も言わず口を塞いでいた。
ナカジがギターから手を離すと塞いでいた手を放した。
「…何故」

ー−兄貴との思い出は封じられていた。










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